「ひとって、どんなものなのだろう？」
制作を始めた学生時代から、このような興味を持ちながら絵を描いています。
人と、その周囲にあるものとの関わりを通して「人の在り方」を描いていきたいと思っています。

タツコン2018作品について

記憶がテーマと聞いて、とある話を思い出した。

前に認知症について知る機会があり、そのときに印象的でずっと頭に残っている話だ。
ひとの頭のなかには、記憶を貯めておく容れ物のようなものがあるそうだ。
ところが、件の症状の場合、容れ物が壊れかけているために記憶を貯めにくくなってしまう状態になる、と。
いま自分が持っている記憶も、いつかは容れ物からこぼれていってしまう。
そのことを知っていてもなお、私は記憶を重ねる。
その「いつか」を想像すれば「いま」記憶を重ねることは、虚しいことかもしれない。
だけど、私は、その「いつか」が来るまでは、大事に「いま」を重ねられればいいなと思っている。